遊・悠・ドライブ　2013年1・2月号　歴史と文化が息づく萩の魅力を満喫する旅

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碁盤の目のように伸びる細い道筋に、白壁の武家屋敷やなまこ壁の商家が軒を連ね、城下町の面影を色濃く残す萩。明治維新胎動の地として吉田松陰をはじめ、高杉晋作、伊藤博文など多くの偉人を輩出した街としても知られ、維新の志士ゆかりの地も点在する。また、風情豊かな街並みのほかに、伝統工芸・萩焼や絶景を望む温泉郷などもあり、見どころたっぷり。豊かな文化を育んだ歴史に触れながら、萩の街をそぞろ歩こう。

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日本の礎を築いた男たちが、学び競った出発点。

松下村塾は八畳と十畳半の二間からなる質素なものだった。

高杉晋作、伊藤博文など近代日本の原動力となった逸材を数多く生んだ萩。彼らの活躍の礎となったのが、萩の片田舎である松本村（現山口県萩市椿東(ちんとう)の一部）にあった松下村塾(しょうかそんじゅく)での学びだった。ここでは萩藩士・吉田松陰のもと、儒学、兵学、史学などを始めとした学問を身分の区別なく学ぶことができた。また、一方的な講義ではなく、塾生と意見を交わし合う「生きた学問」が行われ、この自由な教育が数々の偉人を育んだといわれている。現在、松下村塾は、門人達が中心となって創建された松陰神社の境内に残り、維新の志士達の学びの地を身近に見ることができる。また、松陰神社の近くには、伊藤博文が明治元年（1868）に兵庫県知事に赴任するまでの拠点となった伊藤博文旧宅がある。木造茅葺き平屋建て、約29坪という小さなこの家から初代総理大臣が輩出されたというから驚きだ。隣接する伊藤博文別邸は旧宅とはうって変わって、大広間廊下の鏡天井や離れ座敷の節天井など意匠に優れた邸宅で、農家から一国の代表までへと成長した伊藤博文の足跡がうかがえる。新しい国づくりを夢見た志士達がどんな青春時代を送ったのか、数多く残るゆかりの地をめぐり、想いを馳せてみるのもおもしろい。

幕末の志士ゆかりの地
（左）築 160年以上の伊藤博文旧宅。（中央）学問の神様として親しまれる松陰神社。（右）東京に建てた広大な和洋折衷邸宅の一部を移築した別邸。

アクセス

【伊藤博文旧宅・別邸】
中国自動車道山口 ICから車で約1時間15分
9:00～17:00
無休
旧宅：無料　別邸：100円
萩市椿東1511-1　TEL：0838-25-3139（萩市観光課）

【松陰神社・松下村塾】
中国自動車道山口 ICから車で約1時間15分
9:00～17:00（外観のみは見学自由）
無休
萩市椿東1537　TEL：0838-22-4643

2月・3月の萩は椿まつり！

椿散策と伝統芸能を

約10haの敷地に約 25,000本のヤブツバキが色鮮やかに咲き誇る「萩・椿まつり」。期間中の土日祝には椿群生林内の無料ガイドや、地元特産品の販売などを実施。

萩・椿まつり

アクセス：中国自動車道山口 ICから車で約1時間30分　開催期間：2013年 2月16日～ 3月31日期間中の土日祝 10:00～16:00　料金：無料　所在地：萩市越ヶ浜虎ヶ崎（笠山椿群生林）　電話：0838-25-3139（萩市観光課萩花ごよみ実行委員会）　駐車場：400台
萩の歴史を深掘り！

萩の歴史と文化を継承

毛利吉就公が 1691（元禄 4）年に創建した毛利家の菩提寺。境内には国指定の史跡・毛利家廟所や、総門、鐘楼などの重要文化財が 4件あり、萩市の歴史と風土を色濃く残す。

東光寺

アクセス：中国自動車道山口ICから車で約1時間15分　8:30～17:00（最終受付 16:30）　無休　料金：大人300円、小人150円　所在地：萩市椿東1647　電話：0838-26-1052　駐車場：20台

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陶工に習って、自分だけの萩焼作りに挑戦！

萩焼体験
ろくろ体験では、現役の陶工がマンツーマンで指導してくれるので初心者でも安心。30分程度で立派な器が完成！　焼き上がりは 1か月後。

約400年の伝統を誇る萩焼。現在、萩には窯元が100軒以上あり、始まりは萩藩の藩主・毛利輝元が朝鮮人陶工の李勺光（りしゃっこう）・李敬（りけい）兄弟を呼び寄せ、城下で築いた御用窯とされている。古くから茶人好みの器を焼いてきたことで知られ、茶道の世界では「一楽二萩三唐津」と京都の楽焼、佐賀の唐津焼と並び称され、親しまれてきた。

絵付け・作品棚
（左）素焼きの湯のみやカップなどに墨で絵や文字を書く絵付け体験。※絵付け後、本焼きを行う。（右）館内には茶道具からモダンな日用品まで様々な作品が並び、購入も可能。

低温で焼くため、焼き締まりが緩く、独特の柔らかな風合いが特徴。土が粗いため吸水性・保水性・保温性が高く、表面の細かなヒビ（＝貫入）から水分が浸透し、使うほどに器表面の風合いが変わり、味わい深い趣きをみせる。土の風合いを生かした素朴な作風のものが多く、絵付けなどの装飾はほとんど行われないが、最近では茶道具をはじめ日常食器や小物まで様々な色やデザインのものが作られるように。萩焼会館では、バラエティ豊かな萩焼の販売のほか、作業工程の見学や、回転ろくろや手びねり絵付けの体験を実施。実際に制作すると、より深く萩焼の魅力を感じられるはず。

アクセス

【萩焼会館】
中国自動車道山口 ICから車で約1時間15分
8:00～17:00（最終受付15:30）
不定休
電動ろくろ体験 3,675円～　手びねり体験 1,890円　絵付け体験 1,260円～
萩市椿東新川東区3155 TEL:0838-25-9545　
50台

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情緒豊かな風景とともに、体の芯から癒される。

2004年に「はぎ温泉」が掘削されたことにより、8つの泉質を有する "温泉郷 "となった萩。各温泉宿では日本海を一望する露天風呂や、手入れの行き届いた庭園など、趣向を凝らした温泉を提供している。その中でも絶景を望む露天風呂があり、日帰り入浴を楽しめる施設をご紹介。市内散策の後には、ぜひ立ち寄っておきたい。

はぎ温泉
●泉質：カルシウム・ナトリウム -塩化物冷鉱泉